古本屋「高原書店」

 町田にある古本屋、高原書店へ行ってきた。

 インターネットでの販売も行なっている模様。


 まほろ横丁という通りを五分ほど歩いたところにビルがある。ここの通りはなかなか面白そうな店が多かった。

 中に入ると、通路や階段にまで所狭しと古本が並んでいる。その匂いと存在感に圧倒される。ブックオフにはない、まさに古本屋といった雰囲気だ。

 四階まであるので広い。絶版した本が多いのか、値段は高めかもしれない。それにしても古本屋では、目的の本を探していても、目移りして困る。丸一日つぶせそうだ。


 今回手に入れたのは、山口四郎の『口誦(なぜか変換できない) ドイツ詩集』とポール・ツヴァイクの『冒険の文学』。


 本当は『ドイツ韻律論』か『ドイツ詩を読む人のために』が欲しかったが、見つからなかった。ドイツ詩の韻文について書かれた本がなかなか見つからない。以下あとがきより


 わたしにはこれ迄にドイツ詩の韻律(ドイツ詩法)に関する著作が二冊ある。ドイツ語を専門にする者によってさえ、従来ほとんど顧みられなかったこの分野に関心をよせたについては、詩が詩として詠まれぬことに対する不満と批判があった。
 外国の詩がどうも内容だけで読まれる傾向が強すぎ、詩の音としての美しさや、形式、組み立てに心を配る人があまりに少なすぎる。内容だけ、意味だけを問題にするなら散文だけで事足りる、何も詩などは要るまいと思ったわけだ。


 この『口誦 ドイツ詩集』でも8Pほど、韻律について書かれているのでまあいいかなあと思ってこれを買った。ほぼ新品に近い状態で、1500円。


 もう一つの『冒険の文学』はたまたま目についた本だったが、まえがきがよかったので買った。1000円。


 冒険というものを、心を愉しませてはくれるが些細な経験であるとして斥けてしまう現代社会の傾向は前代見聞のものであり、いかなる文化といえども、これほどまでに神々の意思を無視しようとしたものはない。この現状は、私たちの文化的価値がいかに傲慢不遜なものであるかを如実に物語っている。


 ここにはポイントカードがあって、500円で1ポイント、20ポイントで1000円引きにしてくれる。ということは10000円で1000円引きだから大体1割引くらいか。なかなかいいシステムだ。


 近くにいい古本屋があってよかった。神保町などは行くのが面倒くさい。