第61期王座戦第五局 羽生−中村戦

 まさか王座戦がフルセットまでもつれるとは思っていなかった。それだけ中村太地六段に実力と勢いがあるということだろう。特に第四局は大熱戦で、王座奪取かという場面もあった。


 本局は振り駒で羽生王座が先手になった。戦型は横歩取りに。羽生さんの先手横歩を破ってタイトル奪取となれば、誰もが認めざるを得ないだろう。

 先手の飛車を圧迫する展開で、後手が指しやすそうに見えたが、9五角からは先手が一気によくなった。圧迫されていた飛車も最後には働きだして、羽生王座の完勝だった。最近対局が多くなって調子を上げてきている。さすがだ。
 これで羽生王座は王座獲得通算21期となり、大山康晴十五世名人の持つ王将20期を上回り、同一タイトル獲得数の歴代最多記録を更新した。

◇◆◇ 10月の対局予定と結果 ◇◆◇
● 02(水)  第61期王座戦 第3局   中村太地 六段
○ 06(日)  第34回将棋日本シリーズ 準決勝  渡辺明 三冠
○ 08(火)  第61期王座戦 第4局   中村太地 六段
○ 11(金)  第72期順位戦 4回戦   渡辺明 三冠
○ 15(火)  第63期王将戦 挑決リーグ 1回戦  郷田真隆 九段
○ 18(金)  第63期王将戦 挑決リーグ 2回戦  谷川浩司 九段
○ 21(月)  第61期王座戦 第5局   中村太地 六段
_ 23(水)  第9期棋王戦 準々決勝   山崎隆之 八段


 最終局は大差がついてしまったが、このシリーズは盛り上がったなあ。中村六段はまたタイトル戦に出場するはずだ。強い若手がもっと現れて、将棋界を盛り上げてほしいと思う。


 夕休前の太地アイ(イケメンアイ)は面白かった。