自転車カナダ横断 Calgary〜Winnipeg編 その七

8/23 Grenfell〜Moorsemin 115km

 昨晩は結局あまり眠れなかった。準備をして、出発前のタイヤチェックをしたら、後輪がパンクしているのを発見した。いつの間に。修理していたら出発が10時くらいになってしまった。


 ガソリンスタンドで飯を食べていたら、また空気が抜けていた。まあ気のせいだろうということにして、空気を入れて出発。White Woodに着くころにはぺしゃんこになっていた。


 本日二度目の修理。店の横でやっていると、色んな人に見られて、話しかけられる。

 
 しばらく走っていると、後輪に違和感があった。またぺしゃんこだ。一日に三度のパンクというのは初めてだ。今日はせっかくの追い風だったのに、パンクのせいで全然活かせなかった。


 何度か空気を入れて、Moorseminに到着。ここのキャンプ場でテントを立てて直してしまおうと思ったが、あまりの料金の高さに愕然とし、腹もたったので、もう少し先に行って野宿することにした。空気を入れて誤魔化しながら走る。もう少し耐えてくれよ、パンクするお前が悪いんだからな。


 幸い少し走ったところで、人目につかなさそうなところを発見した。


 三度目の修理。金属片などは除いたはずなのに・・・なぜこんなにパンクするんだ。

 夜は一晩中野生動物に威嚇されていた。


8/24 Moorsemin〜Elkhorn 30km

 朝見たら心なしか空気が抜けているような気がした。とりあえずビジターセンターまで行ってしまおう。

 コーラを買おうとしたら、なぜかカードが使えず、職員の人が奢ってくれた。ここはネットが使えるので、天気予報を見る。明日は西風40km/hの予報だった。乗るしかない、このビッグウェーブに。その代わり今日はすごい向かい風だ。そして後輪はパンクしていた。


 念入りにタイヤの中をチェックしても、特に異常が見当たらない・・・最後の予備チューブを使って交換する。これがパンクしたらヒッチしないといけないなあと思っていたら、空気が入らない。


 もう替えのチューブは無くなってしまった。パッチも少ししか残っていない。自転車屋があるのは、ここから140km先のBrandonだろう。万事休す、であった。それでもごちゃごちゃやっていたら、「ちょっと待ってろ、今手伝ってやるから」と一人の男が声をかけてきた。救世主の登場であった。


 ペットボトルの水をくれたので、それを使ってチューブの穴を探している間に、彼はタイヤのチェックをしていた。そして「ここに金属が刺さっているぞ」と見せてきた。なるほど、ホッチキスの先がごくわずかにタイヤから突き出ている。けっこう念入りに探したのに、まったく気づかなかった。よく見つけられるなあ。爪きりで挟もうとしてもなかなか挟めず、二人で協力してなんとか引っこ抜いた。手伝ってくれる人がいると、何と心強いことか。


 一通り修理が済むと、彼は「Edmontonに行かなくちゃいけないんだ」と言って去っていった。EdmontonはCalgaryの北にあるから、ここからはかなり遠い。それでも手伝ってくれたのだ。


 救世主



 気を取り直して出発。すぐにManitoba州に入る。Manitobaは大きめの都市がけっこうあるが、特に見所はないかなあという感じ。州境近くのVisitor centreでは全てのキャンプ場、モーテル、ゲストハウスなどを網羅したガイドブックがもらえる。



 10kmほど走るとElkhornに着いた。すごい向かい風で進まない。午後からは嵐の予報だった。もうこれ以上走ってもいまいちだろうなあと思ったので、モーテルに泊まることにする。今日は早めに切り上げて宿題でもやろうと思った。


 しかし、スーパーに行ったらワインが安く売っていたので、呑んだくれてしまった。ちなみに冬休みに入った現在でも夏休みの宿題が終わっていない。そろそろやらないと。


 ニュースを見ていたら、いつの間にか嵐の警報が出ていた。早めに逃げておいてよかった。